Google広告のDSAが9月にAI最大化設定へ自動移行される|切り替わる前の棚卸しと切り替わった後の見張り方

Google広告のDSAが9月にAI最大化設定へ自動移行される|切り替わる前の棚卸しと切り替わった後の見張り方

動的検索広告(DSA)のキャンペーンは、いまも問題なく配信されています。管理画面に警告は出ていませんし、先週と同じようにコンバージョンも入ってきます。だからこそ見落とされやすいのですが、2026年9月以降、既存のDSAキャンペーンはGoogle側で順次「AI最大化設定(AI Max for Search)」へアップグレードされます。新規作成はすでに2026年4月で終了しました。切り替わるのは設定画面の呼び名だけではありません。どの検索語句に広告を出すかを決める仕組みそのものが入れ替わります。この記事では、9月までに済ませておきたい棚卸しと、切り替わったあとに何を見て異常に気づくかを、実際に触れる設定項目に沿って整理します。

9月に何が自動で切り替わるのか

DSAは新規作成が終了し、既存キャンペーンは順次AI最大化設定へ引き上げられる

DSAの新規作成は2026年4月に終了し、同時に自主的なアップグレードのツールが提供されています。9月以降は、手を付けていない既存キャンペーンがGoogle側の判断で順次アップグレードされます。つまり広告主に残された選択肢は「自分のタイミングで移行して検証する」か「9月に切り替わったものを後から追いかける」かの二択で、移行しないという選択肢は最初からありません。

この差は検証期間の長さに直結します。自主移行を選べば、数値が落ち着くまでの数週間を自分で選んだ時期に確保できます。9月まで待つと、下期の予算が動き出す時期と検証が重なります。四半期の締めや年末商戦の準備と重なると、成果が動いた原因が移行なのか季節性なのか切り分けにくくなります。

配信の決まり方が「ページと検索語句の一致」から「意図の解釈」に変わる

DSAは、サイトのインデックスまたはページフィードの内容と検索語句を突き合わせ、一致したものに配信する仕組みでした。AI最大化設定は、インテントマッチとキーワードレスの技術で関連性の高い検索語句を見つけにいきます。あわせて、検索語句に合わせて広告見出しや説明文をカスタマイズするテキストカスタマイズと、より関連性が高いと判断されたページへ送客する最終ページURLの拡張が働きます。

観点 DSA AI最大化設定
配信対象の決め方 サイトのインデックス・ページフィードと検索語句の一致 インテントマッチとキーワードレス技術による意図の解釈
広告文 見出しの一部を自動生成 検索語句に合わせて見出し・説明文をカスタマイズ
送客先 フィードまたはインデックス内のページ 関連性が高いと判断されたURLへ拡張
制御手段 ページフィード、除外ターゲット ブランド設定、URL除外、URL登録、関心対象地域

ここで注意したいのは、「AI最大化設定へ移行すれば成果が上がる」わけではないという点です。拾える検索語句が広がるということは、これまで拾わなかった語句にも予算が回るということでもあります。指名検索の周辺で成立していたアカウントほど、拡張の影響は大きく出ます。

切り替わる前にやる棚卸し

DSAが全体の消化額に占める割合を先に出す

移行の影響度は、DSAが広告費全体のどれだけを占めているかでほぼ決まります。まず管理画面のキャンペーン一覧をキャンペーンタイプで絞り込み、DSAに該当するものを抽出する。そのうえで直近90日の費用・コンバージョン数・CPAを控えておく。この2手順だけです。

たとえば月間広告費300万円のD2C事業者で、DSAが40万円(13%)だったとします。この規模なら移行後に多少荒れても全体のCPAは吸収できますが、DSAが120万円(40%)を占めていれば、移行直後の学習期間がそのままアカウント全体の成果になります。控えておくのは平均値だけで構いません。移行後の比較対象は、移行前にしか取れないからです。CPAとROASの目標値の決め方を整理していない場合は、この機会に基準値も決めておくと移行後の判断が速くなります。

ブランド設定・URL除外・URL登録の3つを移行前に用意する

AI最大化設定には、キャンペーン単位と広告グループ単位で使えるブランド設定、キャンペーン単位のURL除外、広告グループ単位のURL登録と関心対象地域という制御項目があります。これらを空のまま移行させると、拡張の方向を指定しないまま配信を任せることになります。

実務上、先に洗い出しておきたいのは送客したくないURLです。採用ページ、IR情報、利用規約、すでに販売を終えた商品カテゴリ、在庫が薄いページ。DSAの時代はページフィードで対象を絞れていたため、除外を作り込んでいないアカウントは珍しくありません。ただし、「除外URLを登録しておけば意図しない配信は起きない」とまでは言えません。除外はURL単位の指定であって、検索語句そのものを止める仕組みではないからです。制御の主軸は除外ではなく、移行後に実際の検索語句を見て調整していく運用のほうにあります。

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切り替わったあと、何を見て気づくか

検索語句レポートに追加されるマッチタイプで拡張の中身を見る

移行後に最初に開くのは検索語句レポートです。AI最大化設定では「AI最大化設定」という新しいマッチタイプが追加され、あわせて表示された広告見出しとURLもレポート上で確認できます。どの語句にどの見出しが当たり、どのページへ送客されたかが1行で追えるということです。

見る頻度は、移行直後の2〜3週間は週2回、落ち着いてからは週1回で足ります。確認するのは費用が発生した語句の上位ではなく、はじめて現れた語句の塊です。拡張は徐々にではなく、ある日まとめて別のクラスタへ広がることがあります。ここで気になる語句が出たら、除外キーワードとURL除外のどちらで止めるべきかを分けて考えます。AI最大化設定そのものの設定手順はAI最大化設定の完全ガイドで詳しく扱っています。

移行の前後比較は、媒体の管理画面だけでは組み立てにくい

移行の影響を判断するには、DSA時代の実績とAI最大化設定移行後の実績を同じ軸で並べる必要があります。ところが管理画面の期間比較は、キャンペーンの構造が変わった時点で連続性が切れます。キャンペーンIDが引き継がれても、レポート上の内訳の粒度が変わるためです。

ADmini(アドミニ)は、Google広告・LINEヤフー広告・Meta広告のデータを自動で取得し、媒体をまたいだ1枚の表として集計するBIツールです。日次のデータが手元に蓄積されていれば、移行日を境にした前後14日の比較を、キャンペーン構造の変更とは無関係に取り出せます。しきい値カラーを設定しておけば、CPAが目標を割った日と超えた日が色で分かれるので、毎朝の確認は数十秒で済みます。広告レポートの自動化を先に済ませておくと、こうした仕様変更のたびに手作業の集計をやり直さずに済みます。

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まとめ

DSAの終了は、キャンペーンタイプが1つ消えるという話ではありません。ページと検索語句を突き合わせる仕組みから、意図を解釈して広告文まで生成する仕組みへ、配信の前提が入れ替わります。9月の自動アップグレードを待つか、自分の都合のいい時期に先に移行して検証するか。実質的に選べるのはこのタイミングだけです。

先に言っておくと、AI最大化設定を有効にしただけで成果が改善する保証はありませんし、除外設定を作り込んでも拡張を完全にコントロールできるわけでもありません。ツールが引き受けるのは、検索語句の探索と広告文の組み立てという、人が手作業では追いきれない範囲です。それが自社にとって望ましい方向に広がっているかを判断する材料は、移行前の実績と移行後の検索語句レポートにしかありません。判断の材料を残しておくことが、移行前にできる準備のほぼすべてです。クライアントへの説明が必要な場合は、媒体の仕様変更をクライアントに伝える方法もあわせて確認してください。

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まず今週やること。管理画面でキャンペーンタイプをDSAで絞り込み、直近90日の費用・コンバージョン数・CPAをスクリーンショットかスプレッドシートに控えてください。移行後に「前はどうだったか」を思い出そうとしても、その数字はもう取り出せません。

よくある質問

DSAはいつまで使えますか

新規作成は2026年4月に終了しており、既存キャンペーンも2026年9月以降に順次AI最大化設定へ自動アップグレードされます。9月まで既存キャンペーンの配信自体は続きますが、DSAのまま運用を継続する選択肢はありません。自主的なアップグレードのツールが提供されているため、検証期間を自分で確保したい場合は9月を待たずに移行するほうが安全です。

AI最大化設定に移行すると成果は上がりますか

上がる保証はありません。AI最大化設定は配信対象の検索語句を広げる仕組みのため、これまで拾っていなかった語句に予算が回ります。指名検索やその周辺で効率的に回っていたアカウントでは、移行直後にCPAが悪化することもあります。移行前の90日分の費用・コンバージョン数・CPAを控えておき、移行後の実績と比較して判断してください。

AI最大化設定で意図しない配信を止めるにはどうすればいいですか

キャンペーン単位のURL除外、キャンペーンと広告グループ単位のブランド設定、広告グループ単位のURL登録と関心対象地域で制御します。ただし除外はURL単位の指定であり、検索語句を直接止める仕組みではありません。移行後は検索語句レポートで「AI最大化設定」のマッチタイプを定期的に確認し、除外キーワードとURL除外を使い分けて調整していく運用が必要です。

移行前後の成果を比較するにはどうすればいいですか

移行前の実績を、移行する前に手元へ残しておくことが必須です。管理画面の期間比較はキャンペーン構造が変わると連続性が切れるため、移行日をまたいだ比較がしにくくなります。ADminiのようなBIツールで日次データを自動取得して蓄積しておけば、移行日を境にした前後14日の比較を、キャンペーン構造の変更とは無関係に取り出せます。