広告運用にBIツールは本当に必要か|Looker StudioやTableauで手が止まる1人マーケターのための現実解

広告運用にBIツールは本当に必要か|Looker StudioやTableauで手が止まる1人マーケターのための現実解

BIツールを入れれば数字の管理が楽になるはずだ。そう思ってLooker Studioを開き、データソースの接続で30分、グラフの体裁で1時間を使い、結局スプレッドシートに戻ってきた。広告運用者の方から、この話は本当によく聞きます。使いこなせなかった自分に問題があると考えてしまいがちですが、手が止まる場所はだいたい決まっていて、しかもツールの設計思想からするとそうなるのが自然です。BIツールが個人の広告運用で詰まる場所を整理したうえで、そもそもBIツールが要る仕事と要らない仕事を分け、1人で回すならどこから判断すればよいのかまでを扱います。

BIツールを入れて手が止まる場所は、だいたい同じ

高機能なBIは「専任がいる前提」で設計されている

TableauやPower BIのような高機能BIが個人に合わないのは、値段だけの問題ではありません。これらはデータを整える人と、そのデータを見る人が別にいる組織を前提に作られています。データの取り込みと整形を担う担当者がいて、その人が整えた土台の上でビジネス側が自由に切り口を変える。この分業があって初めて力を発揮する道具です。

1人で運用していると、この分業の両側を同じ人が担うことになります。しかも整える側の作業は、広告の成果に直接つながりません。案件単価から逆算したとき、月額数万円の費用より、整えるために使う時間のほうが重くのしかかる。導入をためらう理由が価格として語られがちなのは、時間のコストが見積書に載らないからです。

無料のBIは、設定を全部自分でやる前提で設計されている

Looker Studioが「使いにくい」と言われるのは、機能が足りないからではありません。各媒体との接続、複数ソースの結合、指標の定義、表示の調整を、すべて利用者が組み立てる設計だからです。何をどう作るかが決まっている人には自由度の高い道具ですが、決まっていない人にとっては白紙が渡されるのと同じになります。

実務でつまずきやすいのは、単純な表示ではなく媒体をまたいだ集計です。媒体ごとに列名も日付の持ち方も違うため、横に並べるには前処理が要る。ここで詰まると、作りかけのダッシュボードが放置されます。表示が重くなる問題も、多くはこの結合と加工の負荷から来ています。

タイプ 得意なこと 1人運用で詰まりやすい場所
高機能BI 大量データの探索と全社での共有 習熟に必要な時間。整える担当が自分しかいない
無料・低価格BI 作りたい形が決まっている人の自由な設計 媒体をまたぐ結合と前処理。作りかけで止まる
広告特化ツール 広告の指標が最初から入った状態で始められる 広告以外のデータを主役にした分析には向かない

広告運用にBIツールは本当に必要か|Looker StudioやTableauで手が止まる1人マーケターのための現実解

そもそもBIツールが要る仕事と、要らない仕事がある

要らないのは、毎週同じ形の数字を並べるだけの仕事

週次のレポートで見る項目が固定されているなら、BIツールの自由度はほとんど使われません。媒体別の費用とCPAを同じ並びで出し続けるだけの仕事に、切り口を自在に変える機能は要らない。必要なのは自由度ではなく、毎回同じ形が自動で出てくることです。

この用途でBIツールを選ぶと、機能の9割を使わないまま維持コストだけを払うことになります。実際、放置されているダッシュボードの多くはこの型です。決まった形を出すだけなら、決まった形を出す道具のほうが速い。

それでも作り込みたくなるのは、自由度があると「もっと良い見せ方があるはずだ」と考えてしまうからです。目盛りの取り方、色の対応、並び順。ここに時間を使っても、レポートを見る人の判断はほとんど変わりません。見せ方の改善で成果が動くのは、見た人が別の行動を取ったときだけです。毎週同じ人が同じ確認をするレポートなら、体裁を磨く時間は成果に接続しません。

要るのは、軸を自由に変えて原因を探る仕事

逆に、BIツールが本当に効くのは、あらかじめ形が決まっていない探索です。CPAが跳ねた週に、デバイス別で見て、次に曜日別で見て、さらに広告グループ別に落として原因を追う。この試行錯誤は、決まったレポートでは絶対にできません。

判断の分かれ目は、月にこの探索を何回やっているかです。KPIの設計が固まっていて数字が安定しているなら、探索の頻度は下がります。逆に新規案件が続いていて毎週原因を追っているなら、探索できる環境の価値は高い。ただし、探索の頻度が高いことと、高機能BIが必要なことはイコールではありません。広告のデータだけを相手にするなら、広告の軸が最初から入っているツールのほうが到達は速いことが多いです。

広告運用にBIツールは本当に必要か|Looker StudioやTableauで手が止まる1人マーケターのための現実解

1人で回すなら、判断する順番はこうなる

選定の前に、いま何時間使っているかを測る

ツールの比較表を眺める前にやることがあります。今の集計作業に月何時間かかっているかを、1か月だけ実測することです。感覚では「けっこう取られている」としか言えませんが、時間が出れば判断は単純な引き算になります。

  • 媒体の管理画面から数字を書き出す時間
  • スプレッドシートで形を整える時間
  • 数字が合わずに突き合わせ直す時間
  • クライアント向けの体裁を整える時間

実測すると、多くの場合いちばん長いのは3つめです。書き出しと整形は慣れれば速くなりますが、突き合わせは毎回ゼロから始まる。時間を食っているのは作業そのものではなく、確認のやり直しだと分かると、選ぶべき道具の条件も変わります。

やり直しが毎回起きるのには理由があります。媒体ごとにコンバージョンの計上日が違うためです。クリックした日に計上する媒体と、成果が発生した日に計上する媒体が混ざっていると、同じ週の合計が突き合わせるたびに変わります。さらに、後日になって数値が確定して過去日が書き換わる媒体もある。数字が合わないのではなく、合うタイミングが媒体ごとに違うわけです。この構造を知らないまま突き合わせを続けると、原因のない差分を毎週探すことになります。

乗り換えのコストは、料金より学習時間で効いてくる

月額の差が数千円なら、判断を左右するのは料金ではありません。使えるようになるまでに何時間かかるか、そして自分が使わなくなったときに元へ戻せるかです。時給換算で考えると、習熟に10時間かかるツールは、月額数千円の差を軽く超えます。

ADmini(アドミニ)は、この「整える側の作業を減らす」ところに寄せて作られた広告特化のツールです。媒体にログインして許可すると、費用・クリック・コンバージョンといった広告の指標がそろった状態でデータが入るので、列を定義するところから始める必要がありません。最初の設定の流れを見ておくと、どこまでが自動でどこからが自分の作業かの見当がつきます。前日の数字の要約まで毎朝受け取るところまで含めるなら月3,980円のPlus、1日あたり約133円という選択肢もありますが、媒体データを1画面に集めて眺めるところは無料で試せます。

ADminiの媒体データを1画面に集約する機能で、設定の作り込みなしに広告の数字を並べて確認できます。ADminiなら無料で始められます。無料で試してみる →

広告運用にBIツールは本当に必要か|Looker StudioやTableauで手が止まる1人マーケターのための現実解

まとめ

BIツールで手が止まるのは、能力の問題ではなく、道具の前提と自分の状況が噛み合っていないからです。高機能BIは整える担当が別にいる組織を、無料BIは作りたい形が決まっている人を想定しています。1人で広告のデータだけを扱うなら、そのどちらの前提にも当てはまりません。「BIツールが必要か」ではなく「探索する仕事が月に何回あるか」から考えると、答えは出しやすくなります。

まず今週やること:今週の集計作業にかかった時間を、工程ごとにメモしておく。合計が月5時間に届かないなら、今の運用を変える必要は薄い。10時間を超えるなら、道具を変える判断材料としては十分です。

道具が担うのは、媒体からデータを集めて同じ形に並べるところまでです。人が担うのは、その並びから何を読み取り、次に何を変えるかを決めるところ。ADmini(アドミニ)はこの前半に寄せた広告特化の道具で、広告以外のデータを主役に据えた分析や、全社に配る大規模なダッシュボードは引き続き高機能BIの領分です。どちらが優れているかではなく、担当する範囲が違うという話になります。

ADminiのピボット集計機能で、媒体別・日別の数字を必要な切り口に組み替えて確認できます。ADminiなら無料で始められます。無料で試してみる →

よくある質問

広告運用にBIツールは必要ですか?

やっている仕事の型によります。毎週同じ形の数字を並べるだけなら、BIツールの自由度はほとんど使われないため必要性は低いです。CPAが動いた原因をデバイス別・曜日別・広告グループ別と切り替えながら追う探索を月に何度も行っているなら、その環境の価値は高くなります。「必要か」ではなく「探索する仕事が月に何回あるか」で判断してください。

Looker Studioが使いにくいのはなぜですか?

機能不足ではなく、各媒体との接続・複数ソースの結合・指標の定義・表示の調整をすべて利用者が組み立てる設計だからです。作りたい形が決まっている人には自由度の高い道具ですが、決まっていない人には白紙を渡されるのと同じになります。特に媒体ごとに列名や日付の持ち方が違う状態での結合が、実務でつまずきやすい場所です。

TableauやPower BIは個人の広告運用に向きませんか?

価格以上に、設計思想が合いにくいです。これらはデータを整える人と見る人が別にいる組織を前提としており、1人運用ではその両方を同じ人が担うことになります。整える作業は広告の成果に直接つながらないため、時間のコストが重くなります。広告以外のデータも扱う場合や全社共有が必要な場合は、これらのほうが適しています。

ツールを乗り換えるかどうかは、何を基準に決めればよいですか?

まず1か月だけ、集計作業にかかっている時間を工程ごとに実測してください。合計が月5時間に届かないなら変える必要は薄く、10時間を超えるなら判断材料として十分です。月額の差が数千円なら料金より、使えるようになるまでの学習時間のほうが判断を左右します。