Microsoft広告で上限CPCが新しいキャンペーンに設定できなくなった2026年10月1日|既存キャンペーンの上限を外す前に比べる数字

2026年10月1日から、Microsoft広告で新しく作るキャンペーンに、自動入札の「上限CPC(最大CPC)」を設定できなくなりました。8月の公式ブログと広告主向けのメールで予告されていた変更です。上限CPCは、自動入札に任せつつ「1クリックにこれ以上は払わない」と決めておく、運用者にとっての安全装置でした。それが消えると、クリック単価が跳ねたときに止める手段がなくなるように見えます。実際には、どのキャンペーンで何が使えなくなり、代わりに何で歯止めをかければよいのでしょうか。公式の告知の範囲で整理します。
Microsoft広告の上限CPCで変わったこと
対象はポートフォリオ以外の3つの入札戦略
上限CPCが使えなくなるのは、10月1日以降に新しく作る、ポートフォリオに入れないキャンペーンのうち、コンバージョン数の最大化(目標CPAを含む)、コンバージョン値の最大化(目標ROASを含む)、クリック数の最大化の3つです。既存のキャンペーンに設定済みの上限はそのまま残ります。
| 入札戦略 | 10月1日以降の新規キャンペーン | 10月1日より前からあるキャンペーン |
|---|---|---|
| コンバージョン数の最大化(目標CPAを含む) | 上限CPCを設定できない | 設定済みの上限は残る |
| コンバージョン値の最大化(目標ROASを含む) | 上限CPCを設定できない | 設定済みの上限は残る |
| クリック数の最大化 | 上限CPCを設定できない | 設定済みの上限は残る |
| ポートフォリオ入札戦略 | 上限CPCを設定できる | 設定できる |
| 目標インプレッションシェア・拡張CPC | 変更なし | 変更なし |
ポートフォリオ入札戦略を使えば、新しいキャンペーンでも上限CPCを付けられます。目標インプレッションシェアと拡張CPCは今回の変更の対象外です。一方、APIからのキャンペーン作成・更新は2027年1月12日から同じ扱いになり、上限CPC付きの指定はエラーで返ると、Microsoft Ads APIの公式ブログで告知されています(エディターの時期は2026年10月時点で未発表)。
Microsoftが上限CPCを外す理由
Microsoftは、上限CPCが広告主自身の設定した目標を上書きし、予算の消化ペースを乱すことがあると説明しています。上限がクリックの平均単価より高く設定されていても起こる、とする点がこの説明の要です。
仕組みで言えば、目標CPAの自動入札は「平均してこのCPAに収める」ように、成約しやすいクリックには高く、しにくいクリックには低く入札します。上限CPCはこの高く入れたいクリックだけを一律に切るので、平均は目標を下回っても、取れたはずの成約が減ることがあります。上限CPCで守っていたのは1クリックの単価で、CPAそのものではなかったという整理です。

上限CPCがなくなって困るのはどんな運用か
少ない予算でクリック数の最大化に上限を付けていた場合
影響が大きいのは、コンバージョンがまだ少なく、クリック数の最大化に上限CPCを付けて単価の暴れを抑えていた運用です。月の広告費が数万円で検索語句の幅が広いと、自動入札が競合の多い語句に高く入れた日に、数クリックで1日の予算を使い切ることがあります。
新しいキャンペーンでこの歯止めが欲しいなら、選択肢は2つです。1つはポートフォリオ入札戦略に入れて上限CPCを付けること。もう1つは、上限を単価ではなく1日の予算と除外キーワードで作ることです。前者は設定が1段増えるだけで済みますが、Microsoftが上限CPCを「目標を乱すもの」と位置づけている以上、ポートフォリオでの上限も長く残る保証はない、という限界があります。
既存キャンペーンの上限を外すと戻せないおそれがある
既存キャンペーンの上限CPCは残りますが、管理画面で一度外したあとに付け直せるかは、告知に書かれていません。API経由については、2027年1月12日以降に上限を外したキャンペーンは新しく上限を設定できなくなると明記されています。新規で付けられないことと合わせると、外したら戻せない前提で扱うのが安全です。Googleのアカウントからのインポートや既存キャンペーンのコピーで作る場合に上限が引き継がれるかも、公式の記載は見当たりません。作成後に設定画面で入札戦略の欄を確かめます。
同じ時期にGoogle広告でも目標CPA・目標ROASの入札に変更があり、両方を回している場合は数字の動きを取り違えやすくなります(Google側は8月17日の目標CPA・目標ROAS入札の変更で整理しています)。
ADminiは、Google広告・Meta広告・LINEヤフー広告の数字を1日1回自動で取り込み、Microsoft広告の数字もExcel・CSVのアップロードで同じ画面に並べられます。Microsoft広告は書き出したファイルを取り込めば、平均CPCとCPAを他の媒体と横並びで比べられます。ADminiなら無料で始められます。無料で試してみる →

対応しない場合どうなるか|既存キャンペーンの上限は残る
何もしなくても既存のキャンペーンは止まらない
10月1日より前からあるキャンペーンは、何もしなければ上限CPCを付けたまま配信が続きます。困るのは、新しいキャンペーンを作ったときに上限の欄がないことに気づかず、既存と同じ感覚で予算を入れた場合です。既存キャンペーンの上限をどうするかは、次の3つで分かれます。
- 上限CPCで制限された状態が続いていても、CPAが目標内に収まっている:残す
- CPAに余裕があるのに、予算を使い切れていない:外す前に、次の項の実験で比べる
- 新しいキャンペーンにも上限が必要:ポートフォリオ入札戦略にまとめて付ける
外すなら最適化実験で比べる
Microsoftは広告主向けのメールで、上限CPCを外すなら、更新の前に最適化実験で試すことを勧めています。最適化実験は2026年9月30日に正式提供となり、検索・ショッピング・オーディエンス・P-MAXのキャンペーンで、元のキャンペーンと並べて結果を比べられます。比べる数字は、CPA、平均CPC、予算の消化率の3つです。平均CPCが上がってもCPAが目標内なら、上限は外してよいと読めます。
ただし、Microsoft広告はコンバージョン数がGoogle広告より少ないアカウントが多く、2〜4週間の実験でも差が偶然かどうかを判断しきれないことがあります。数字を見るときは、実験期間のコンバージョン数も一緒に確かめます。ADmini(アドミニ)では、Microsoft広告から書き出したレポートをExcel・CSVのアップロードで取り込み、連携しているGoogle広告の数字と並べられます。アップロードしたファイルは自動では更新されないため、比べる期間ごとに差し替えます。
まとめ
今回の変更で消えたのは、新しいキャンペーンで1クリックの単価に上限をかける欄です。既存キャンペーンの上限は残り、ポートフォリオ入札戦略を使えば新しいキャンペーンでも付けられます。ただし上限CPCはもともと、CPAではなく単価を守る道具でした。
先に言っておくと、ADmini(アドミニ)のような集計ツールには、自動入札が高く入れた1クリックを事前に止めることはできません。できるのは、入札が変わったあとの平均CPCとCPAを媒体をまたいで並べ、目標から外れ始めた日を早く見つけるところまでです。歯止めを予算と目標値のどちらに置くかを決めるのは、運用者の仕事として残ります。
まず今週やること:Microsoft広告の管理画面で、上限CPCを付けているキャンペーンを一覧にし、過去30日のCPAと平均CPCを書き出してください。CPAに余裕のあるキャンペーンが見つかれば、それが最適化実験で上限を外して試す最初の候補です。
ADminiなら、Google広告・Meta広告・LINEヤフー広告の数字が1日1回自動で更新され、Microsoft広告の書き出しとも1画面で比べられます。ADminiなら無料で始められます。無料で試してみる →
よくある質問
Microsoft広告の上限CPCはいつから設定できなくなりましたか?
2026年10月1日からです。対象は、この日以降に新しく作るポートフォリオ以外のキャンペーンで、入札戦略がコンバージョン数の最大化(目標CPAを含む)、コンバージョン値の最大化(目標ROASを含む)、クリック数の最大化のものです。
既存のキャンペーンに設定した上限CPCはどうなりますか?
10月1日より前からあるキャンペーンに設定済みの上限CPCは、そのまま残ります。ただし、管理画面で一度外したあとに付け直せるかは告知に書かれていません。APIでは2027年1月12日以降に外すと再設定できないと告知されているため、外したら戻せない前提で扱うのが安全です。
新しいキャンペーンで上限CPCを使う方法はありますか?
あります。ポートフォリオ入札戦略を使うキャンペーンは、新規でも既存でも上限CPCを設定できます。目標インプレッションシェアと拡張CPCも今回の変更の対象外です。上限を単価ではなく、1日の予算と除外キーワードで作る方法もあります。
上限CPCを外すと広告費が増えすぎませんか?
キャンペーン全体の費用は1日の予算の枠で管理されるため、上限CPCを外しても予算を大きく超えて使い続けることにはなりません(日によって予算を上回る日がある点は従来どおりです)。変わるのは1クリックの単価で、平均CPCは上がることがあります。外す前に最適化実験で元のキャンペーンと並べ、CPAが目標内に収まるかを確かめるのが確実です。
