CACとは|CPAとの違いと、媒体のコンバージョンで割ると顧客獲得単価が安く出る理由

CACとは|CPAとの違いと、媒体のコンバージョンで割ると顧客獲得単価が安く出る理由

管理画面のCPAは2,300円なのに、経営側からは「新しいお客さんを1人取るのに3,000円以上かかっている」と言われる。計算違いに見えますが、多くは両方正しく、違うのは割っている数です。CAC(顧客獲得単価)とCPAの差は、分子に入れる費用の範囲と、分母に入れる「1人」の数え方の2か所で生まれます。

CAC(顧客獲得単価)の計算式とCPAとの違い

CACは「新規顧客の獲得にかけた費用÷新規顧客数」

CACは、新しい顧客を1人獲得するのにかかった費用です。月の費用が60万円・新規顧客が160人ならCACは3,750円になります。分子にどこまで含めるかで呼び分けがあり、次の2つを区別しておくと会話が噛み合います。

  • Paid CAC:広告費を、広告経由の新規顧客数で割ったCAC。広告にかけたお金の効率を見る
  • Blended CAC:制作費・ツール代・人件費まで含め、紹介や自然検索から来た顧客も分母に入れたCAC。事業の採算を見る

CPAとの違いは「分子の範囲」と「分母の数え方」

CPAは「広告費÷広告媒体が数えたコンバージョン数」です。分子に制作費や人件費が入らない点より差が大きくなりやすいのは分母で、媒体のコンバージョンには既存顧客のリピート購入や、ほかの媒体と重複して数えた件数が混ざります。CACの分母は、注文管理や顧客管理のシステムで数えた重複のない新規顧客数です。資料請求のように購入より手前の行動をCVにしている場合、そのCPAはCACとは別の指標です。

CACとは|CPAとの違いと、媒体のコンバージョンで割ると顧客獲得単価が安く出る理由

媒体のコンバージョンで割るとCACが安く出る理由

Google広告とMeta広告が同じ1人をそれぞれ数える

各媒体は自分の広告に接触した人のコンバージョンを自分の基準で数えます。Google広告の広告をクリックし、あとでMeta広告を見て購入した1人は、両方の管理画面に1件ずつ載ることがあります。新規顧客が全員広告経由だった月の再現用サンプルデータで比べます。

指標 計算 値
媒体合算のCPA 広告費50万円÷媒体のCV220件(Google120件+Meta100件) 2,273円
Paid CAC 広告費50万円÷注文管理の新規顧客160人 3,125円
Blended CAC 制作費・ツール代10万円を足した60万円÷160人 3,750円

媒体合算のCPAとPaid CACで約1.4倍の差です。媒体の管理画面はほかの媒体が何を数えたかを知らないため、重複の量はどの画面にも表示されません。重複を計測の段階で除く方法は計測ツールとレポート集計ツールの役割の違いが参考になります。

リピート購入がコンバージョンに混ざる

購入をコンバージョンにしているECでは、既存顧客の2回目以降の購入も数えられ、リピートの多い商材ほど媒体のCPAは安く見えます。Meta広告なら「最初のコンバージョン」で新規だけを数える手順で確かめられますが、「新規かどうか」の判定は媒体側の記録に頼っているため、計測期間より前に買っていた顧客や電話・店頭の購入は正しく判定されません。CACの分母は注文管理の数を正とし、媒体の数字は媒体間の配分を考える材料に使います。

まとめ

CACとCPAは、どちらも「1件あたりの費用」に見えて割っている数が違います。媒体のCPAは配信の効率を比べるには便利ですが、1人の顧客にいくら払っているかはCACでしか分からない数字です。まず今週やることとして、全媒体の広告費の合計を、注文管理から出した先月の新規顧客数で割って、管理画面のCPAと並べてみてください。その差が、媒体のCPAでは見えていなかった1人あたりの獲得費用の上乗せ分です。

では、ツールに任せても変わらないのは何か。新規顧客の定義と、どの費用をCACに入れるかは、事業を知る人にしか決められません。ADmini(アドミニ)が担えるのは、各媒体の広告費を1つの表にそろえ、注文管理から書き出した月別の新規顧客数を同じ表に並べる作業です。

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よくある質問

CAC(顧客獲得単価)とは何ですか?

CACは、新しい顧客を1人獲得するのにかかった費用です。「新規顧客の獲得にかけた費用の合計÷その期間の新規顧客数」で計算します。月の費用が60万円で新規顧客が160人なら、CACは3,750円です。

CACとCPAの違いは何ですか?

CPAは「広告費÷広告媒体が数えたコンバージョン数」、CACは「獲得にかけた費用÷重複のない新規顧客数」です。CPAの分母には既存顧客のリピート購入や、複数の媒体が同じ人を重ねて数えた件数が混ざるため、同じ月でもCPAはCACより安く出やすくなります。

CACの計算に人件費や制作費は含めるべきですか?

目的によって分けます。広告にかけたお金の効率を見るなら広告費だけのPaid CAC、事業として採算が合うかを見るなら制作費・ツール代・人件費まで含めたBlended CACを使います。報告ではどちらのCACかを明記します。

広告媒体の管理画面のコンバージョン数でCACを計算してもよいですか?

おすすめしません。媒体のコンバージョンには、リピート購入と、ほかの媒体と重複して数えた件数が含まれるため、CACが実際より安く出ます。分母には注文管理や顧客管理のシステムで数えた新規顧客数を使い、媒体の数字は媒体間の比較に使います。