Geminiのカスタム指示がスプレッドシートにも広がった2026年9月|広告レポートの集計ルールを一度書けば毎回効く

スプレッドシートのGeminiに月次の集計を頼むたび、同じ前置きから打ち直していないでしょうか。「CPAは費用÷CVで出して」「表の形で返して」「数字は四捨五入しないで」。面倒なのは打つことそのものではなく、書き忘れた月だけ数字の見え方が変わり、先月のシートと並べたときに気づく、あの手戻りのほうです。2026年9月2日、Googleはこの前置きを保存しておける「カスタム指示」を、スプレッドシートを含む5つの場所へ広げました。集計ルールを一度書いておけば済むようになった、と読めます。ただしこの設定、効く範囲が思ったより広い。そこを知らずに尖った指示を入れると、別の場所で副作用が出ます。
9月2日に何が変わったのか
カスタム指示がドキュメント以外の5つの場所でも効くようになった
変わったのは適用範囲だけで、機能そのものは以前からありました。カスタム指示はGeminiに書式や前提を覚えさせておく設定で、これまではGoogleドキュメントの中でしか効きませんでした。今回の更新で、Gmail・スプレッドシート・スライドのGeminiサイドパネル、Googleドライブの「Geminiに質問」、Googleチャットの「Geminiに質問」でも同じ指示が読まれるようになっています(Google Workspace Updates公式ブログ、2026年9月2日発表)。広告運用の実務では毎月の集計を頼む場所がスプレッドシートのサイドパネルなので、ここが対象に入ったことが実質的な変更点です。
設定はハンバーガーメニューの「設定 > パーソナライズ」から
設定場所は2つあります。会話の中で「この指示を覚えておいて」と頼む方法と、サイドパネルのハンバーガーメニューから「設定」→「パーソナライズ」と進む方法です。配信は2026年9月2日から段階的に始まっており、機能が見えるようになるまで最大15日とされています。管理者側の制御項目は用意されていないため、組織として何かを許可する作業は発生しません。対象は該当のGemini機能が使えるWorkspaceユーザーで、プランや設定でこれらの機能が開いていない環境には今回の変更は届きません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何が変わったか | 適用先がドキュメントのみから、ドキュメント+5つの面へ拡大 |
| 誰が対象か | 該当のGemini機能が使えるWorkspaceユーザー(管理者作業なし) |
| いつから | 2026年9月2日から段階配信、表示まで最大15日 |
| どこで確認するか | サイドパネルのメニュー > 設定 > パーソナライズ |
| 対応しない場合 | 集計や配信は止まらない。毎回前置きを打つ運用が続くだけ |
広告レポートの集計で、この機能が効く場面
毎回打ち直していた前置きが、指示側へ移せる
効くのは、指示の中身が毎月変わらない部分です。広告レポートを頼むときの依頼文は、「今月の数字を媒体別にまとめて」という可変部と、「CPAは費用÷CV」「小数第2位まで」「媒体名は正式名称で」という不変部に分かれます。この不変部がカスタム指示へ移せます。効果は時間短縮より再現性のほうが大きく、先月と今月で数字の形が揃うので、シートを並べたときの見比べが成立します。ただし揃うのは形だけです。カスタム指示は計算を検算してくれるわけではないので、数字の妥当性は従来どおり自分で確かめる必要があります。
指示は全アプリ共通で効く(ここが利点であり落とし穴)

登録した指示は、どのアプリから入れても他のアプリへ反映されます。スプレッドシートで登録した集計ルールが、Gmailの下書きにもチャットの回答にも適用されるということです。「箇条書きで簡潔に、敬語は最小限」といった広告レポート向けの指示は、クライアントへのメール下書きでは素っ気なさすぎる文面を生みます。アプリごとに指示を出し分ける仕組みは今回の更新に含まれていません。落としどころは、指示に書くのを「用語と計算式の定義」までにとどめ、口調や文体の指定を入れないことです。定義はどのアプリでも害になりませんが、文体は場面で変わります。この線引きさえ守れば、範囲が広いことは不利になりません。
書いてよいこと・書いてはいけないこと
書いてよいのは、社内で定義が割れやすい言葉の固定です。「コンバージョンはGoogle広告の主要コンバージョンのみ」「ROASは売上÷広告費、粗利ベースではない」のように、数字の意味がぶれる箇所を先に潰しておくと、月次の見比べが安定します。逆に書かないほうがよいのは、特定のクライアント名や案件固有の目標値です。指示は全アプリで読まれ続けるので、案件が終わったあとも残り、別案件の集計に紛れ込みます。もう一点、指示を整えても読ませるシートが崩れていれば結果は安定しません。ピボットのグループ化で月次・週次の集計を固定するほうを先に済ませ、指示は後から足すと手戻りが少なくて済みます。

集計の土台をツール側に持たせるという選択
毎月の整形作業そのものを減らす
媒体ごとのCSVを毎月そろえて貼り付ける作業が残っている限り、指示をいくら磨いても月初の数時間は消えません。ADmini(アドミニ)は、Google広告・LINEヤフー広告・Meta広告などのデータを1画面に集約し、媒体をまたいだピボット集計を画面内で組めるようにしたツールです。列の並びや指標の定義がツール側で揃うので、集計のたびに前提を説明し直すという作業自体が発生しません。目標値を下回った日のセルだけが赤く残るので、見るべき箇所が開いた瞬間に分かります。
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もっとも、集計が自動になっても決めることは減りません。CPAが上がった媒体を止めるのか、クリエイティブを差し替えて様子を見るのか。この判断は数字の並びからは出てきません。広告レポート自動化の全体像を押さえたうえで、自動化するのは集計まで、判断は自分、と線を引くのが現実的です。
まとめ
この機能にできないことは最初から決まっています。数字の正しさは検算してくれませんし、シートの作りが崩れていれば解釈のばらつきは残りますし、アプリごとの出し分けもできません。できないことがはっきりしている道具は、任せる範囲さえ間違えなければ安定して働きます。ADmini(アドミニ)のようなツールへ集計の土台を預けるにしても、線引きの考え方は同じです。まず今週やることは1つ。サイドパネルのメニューから「設定 > パーソナライズ」を開き、自分のレポートで毎回書いている前置きのうち、用語と計算式の定義だけを2〜3行登録してみてください。口調の指定は入れずに、そこだけで試すのが安全です。
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よくある質問
Geminiのカスタム指示はスプレッドシートでいつから使えますか
2026年9月2日から段階的に配信されています。機能が画面に出るまで最大15日かかるとGoogleは案内しており、即時リリース・計画的リリースのどちらのドメインも日程は同じです。まだ見えない場合は、対象のGemini機能が自分のWorkspace環境で使える状態かをあわせて確認してください。管理者側で許可する設定項目は用意されていません。
カスタム指示はどこから設定しますか
スプレッドシートなどのGeminiサイドパネルを開き、ハンバーガーメニューから「設定」→「パーソナライズ」と進むと設定画面が開きます。会話の中で「この指示を覚えておいて」と伝える方法でも登録できます。どちらで登録しても内容は同じ場所に保存されます。
スプレッドシートで登録した指示は他のアプリにも影響しますか
影響します。登録した指示はGmail・スライドのサイドパネル、ドライブとチャットの「Geminiに質問」でも読まれ、アプリごとに出し分ける仕組みは用意されていません。そのため、広告レポート向けに口調や文体を細かく指定すると、メールの下書きにも同じ調子が出ます。指示には用語と計算式の定義だけを書き、文体の指定は依頼文の側に置くのが安全です。
広告レポートの集計をGeminiに任せて大丈夫ですか
集計の形をそろえる用途なら実用的ですが、数字の正しさまでは保証されません。カスタム指示が固定するのは回答の書式や用語の定義であって、計算結果の検算ではないためです。媒体別の合計や前月比など、判断に直結する数値は元データと突き合わせて確かめてください。列の並びが媒体ごとにばらついているシートでは、指示の精度に関係なく解釈のばらつきが残ります。
