Google広告のオークション分析の見方|6つの指標の意味と、競合が増えた週に入札を上げるかの判断

CPCが先週より2割上がった。管理画面を開くと、見覚えのないドメインがオークション分析に並んでいる。「競合が増えたのだから、入札を上げるしかない」と考えたくなる場面です。
ただ、オークション分析は入札を上げる理由を探す画面ではありません。競合の数字が動いていても、自社の表示機会とコンバージョンが削られていなければ、入札を上げたぶんクリック単価が上がって終わることがあります。6つの指標を公式の定義に沿って読み分け、入札を動かす週と据え置く週を分ける順番を、判断に使う数字を週ごとに並べて残す方法とあわせて整理します。
オークション分析の6つの指標は「自社の立ち位置」と「相手との関係」に分かれる
オークション分析は、キャンペーン・広告グループ・キーワードの一覧で対象の行を選び、「オークション分析」を開くと表示されます。検索キャンペーンでは6つの指標が1枚の表に並びますが、性質の違う数字が混ざっているせいで読み違えが起きやすい画面です。
自社の立ち位置を示すのはインプレッションシェアと2つの表示率
インプレッションシェア、ページ上部表示率、ページ最上部表示率の3つは、表の各行の広告主が「どれだけ表示され、どの位置に出たか」を示します。インプレッションシェアは、実際の表示回数を、表示される可能性があった回数の推定値で割った割合です。ページ上部表示率は広告が無料の検索結果より上に出た割合、ページ最上部表示率は検索結果の一番上に出た割合を指します。
注意したいのは、競合の行に出ている表示率も「その競合の表示回数のうち」の割合だという点です。競合のページ最上部表示率が60%なら、その競合が表示された回の6割で一番上を取っているという意味で、自社との勝ち負けを直接は表していません。勝ち負けを表すのは、次の3つの指標です。
重複率・上位掲載率・優位表示シェアは相手との勝ち負けを示す
自社と特定の競合との関係を示すのは、重複率・上位掲載率・優位表示シェアの3つです。重複率は、自社の広告が表示されたときに、その競合の広告も同時に表示された割合。上位掲載率は、同時に表示されたときに競合の広告が自社より上に出た割合。優位表示シェアは、自社が競合より上に出た割合、または自社だけが表示された割合です。
読むときは重複率から見ます。重複率5%の競合の上位掲載率が80%でも、ぶつかる機会がそもそも少ないため、自社の成果への影響は小さいと考えられます。逆に重複率が50%を超える相手の上位掲載率が上がっていれば、自社のクリックを直接奪っている可能性が高い。重複率で「どれだけぶつかるか」を見てから、上位掲載率で「ぶつかったときに負けているか」を見る順番にすると、画面に並ぶドメインの多さに振り回されにくくなります。
| 指標 | 誰の数字か | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| インプレッションシェア | 各行の広告主 | 自社が10%未満だとレポート自体が表示されない |
| ページ上部表示率 | 各行の広告主 | 無料の検索結果より上に出た割合。自社との比較ではない |
| ページ最上部表示率 | 各行の広告主 | 一番上に出た割合。取りにいくほど広告ランクの上乗せが要る |
| 重複率 | 自社と相手の組み合わせ | 最初に見る。低い相手の他の指標は後回しでよい |
| 上位掲載率 | 自社と相手の組み合わせ | 同時に出たとき相手が上だった割合 |
| 優位表示シェア | 自社と相手の組み合わせ | 自社が上に出た、または自社だけが出た割合 |
ただし、この画面から相手の入札額・広告の品質・予算は読み取れません。上位掲載率が高い相手が高い入札をしているとは限らず、広告の品質で上に出ていることもあります。また、相手がそのキーワードを意図して狙っているのか、部分一致で偶然重なっているだけなのかも、この表からは区別できません。
オークション分析が表示されない・数字が合わないときに確かめること
レポートが空になるのは、表示回数が足りないか対象外の配信だから
オークション分析が空になる原因は、ほとんどがデータ量か配信の種類です。Google広告ヘルプには、インプレッションシェアが10%未満の場合は分析情報が表示されないこと、一定の掲載結果データの基準を満たしたキーワードと広告グループだけが対象になることが書かれています。
- インプレッションシェアが10%未満(予算が小さい、または入札が低く、表示機会の大半を逃している)
- 選んだキーワード・広告グループの表示回数が少ない
- ショッピングキャンペーンは指標が3つ(インプレッションシェア・重複率・優位表示シェア)だけで、P-MAXは広告グループやキーワードの単位では見られない
- 検索パートナーでの配信は、オークション分析のデータに含まれない
月予算が数万円のアカウントで、細かいキーワード単位で開いて空になる、という相談は珍しくありません。キャンペーン単位に切り替え、期間を4週間ほどに広げると表示されることが多いはずです。
競合のインプレッションシェアは、相手の画面で見る数字と一致しない
オークション分析に出る競合のインプレッションシェアは、自社が参加したオークションの範囲で計算された数字で、競合自身のレポートの値とは一致しません。Google広告ヘルプでも、相手側のレポートに表示されるものと異なる場合があると説明されています。自社が配信していない地域やキーワードでの競合の表示は、この表に入らないためです。
もう一つずれやすいのが、媒体をまたいだ比較です。LINEヤフー広告の検索広告にも同じ種類のレポートが「オークションインサイト」という名前であり(2023年1月提供開始)、「自社との重複表示率」「他社の上位表示率」「自社の優位表示率」のように項目名が少しずつ違います。オークションの参加者も集計の範囲も媒体ごとに別なので、Googleの重複率とLINEヤフーの重複表示率を足したり平均したりしないほうが安全です。
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競合が増えた週に、入札を上げるかどうかの判断
では、見慣れない競合の重複率が上がっていたら、入札を上げて上の位置を取り返すべきでしょうか。取り返したくなるところです。ただ、判断に要るのはオークション分析の外にある2つの数字、自社のインプレッションシェア損失率(ランク)とコンバージョン数です。競合の顔ぶれに変化がないのにCPCが上がっているなら、原因は自社側にあることが多く、CPCが高い原因を効く順に直す手順で切り分けるほうが先です。
重複率と上位掲載率が上がっても、先に損失率(ランク)とCV数を確かめる
競合の重複率と上位掲載率が同時に上がった週は、入札を上げる前に、自社のインプレッションシェア損失率(ランク)とコンバージョン数を確かめます。競合が上に出るようになっても、自社の表示機会が減っておらずコンバージョンも落ちていなければ、失っているのは「上の位置」だけで、成果ではないからです。判断は次の3つに分かれます。
- 損失率(ランク)が上がっていない:競合は増えたが、自社の表示機会は削られていない。入札は据え置く
- 損失率(ランク)は上がったが、CV数とCPAは目標の範囲内:位置は下がったが成果は保てている。1〜2週間様子を見る
- 損失率(ランク)が上がり、CV数も減った:競合に表示機会ごと奪われている。目標CPAの引き上げか、キーワードの絞り込みを検討する
目標CPAなどの自動入札を使っている場合、「入札を上げる」は目標値の引き上げや予算の見直しを指します。目標値を大きく変えると学習期間に入り直すため、1週間の変化だけで動かすと、競合の一時的な出稿に振り回されます。損失率(ランク)と損失率(予算)の見分け方はインプレッションシェアの損失率を原因別に読む記事が参考になります。
優位表示シェアが下がっても、CVが減っていなければ動かない
優位表示シェアの低下だけを理由に入札を上げる必要はありません。上の位置ほどクリックは集まりやすい一方でクリック単価も上がるため、1位と2位でコンバージョン率が変わらない商材なら、位置を取り返しても増えるのはCPCだけです。
月予算30万円で指名以外のキーワードを回している例で考えてみます。競合1社が出稿を始めて優位表示シェアが70%から50%に下がり、CPCは1割上がったものの、CV数は月40件前後で変わらなかった。ここで入札を上げて優位表示シェアを戻すと、同じ40件を高い単価で買い直すことになりかねません。位置の勝ち負けではなく、成果が削られたかどうかで動くかを決めるのが、オークション分析を入札の言い訳にしないための線引きです。例外は自社名の指名キーワードで、自社を探している人に競合の広告が上に出続けるなら、優位表示シェアの低下そのものを問題として扱う価値があります。
競合の変化と自社の成果を、同じ週の行に並べて残す
競合の変化と自社の成果は、同じ週の行に並べて残しておくと、入札を動かすかどうかを1画面で決められます。管理画面ではオークション分析と損失率・CV数が別々の画面にあり、先週と今週を比べるたびに行き来することになるためです。
ADmini(アドミニ)では、Google広告を連携するとキャンペーン・キーワード単位の表示回数・クリック・費用・コンバージョンが1日1回自動で更新されます。一方、オークション分析の数字とインプレッションシェア・損失率は連携の取得項目に含まれないため、管理画面から週単位で書き出したファイルをExcel・CSVアップロードで追加する形になります。アップロードしたファイルは自動では更新されないので、毎週月曜に前週分を書き出して足す、と手順を決めておくと続きます。同じ週の行にCPC・CV数と主要な競合の重複率・上位掲載率が並べば、「競合が現れた週にCVが落ちたか」を画面をまたがずに確かめられます。連携の始め方はADminiの始め方と基本的な使い方にまとめています。

まとめ
オークション分析は、CPCが上がった理由を「競合のせい」と言い切るための画面ではなく、その説明が本当に成り立つかを確かめる画面です。重複率でぶつかる相手を絞り、上位掲載率で負け方を見て、最後に自社の損失率(ランク)とCV数で成果が削られたかを判断する。この順番なら、冒頭のように見覚えのないドメインが並んだ週でも、入札を上げる週と据え置く週を分けられます。
天気にたとえるなら、オークション分析は空に増えた雲で、損失率とCV数は実際に降った雨の量です。雲が増えただけで傘を買い足す必要はありません。雨の量を毎週同じ場所に記録しておくのがツールの役目で、傘を買うかどうかを決めるのは運用者です。ADmini(アドミニ)はその記録係として、連携した媒体の数字を毎朝同じ画面にそろえます。
まず今週やることは、CPCが一番高いキャンペーンでオークション分析を開き、過去4週間を週単位に分割して書き出すことです。重複率が30%を超える競合が何社いるかを数えるだけで、次に入札を触るべきかの見当がつきます。
ADminiのExcel・CSVアップロードで、書き出したオークション分析を連携データと同じ画面に並べられます。ADminiなら無料で始められます。無料で試してみる →
よくある質問
Google広告のオークション分析はどこで見られますか?
キャンペーン・広告グループ・キーワードの一覧で対象の行を選び、「オークション分析」を開くと表示されます。検索キャンペーンはキャンペーン・広告グループ・キーワード単位、ショッピングキャンペーンはキャンペーン・広告グループ単位で確認でき、P-MAXは広告グループやキーワードの単位では確認できません。
オークション分析が表示されないのはなぜですか?
多くはデータ量が足りないためです。Google広告ヘルプでは、インプレッションシェアが10%未満の場合は分析情報が表示されず、一定の掲載結果データの基準を満たしたキーワードと広告グループだけが対象になるとされています。キャンペーン単位に切り替え、期間を4週間ほどに広げると表示されることがあります。
重複率と上位掲載率の違いは何ですか?
重複率は、自社の広告が表示されたときに競合の広告も同時に表示された割合で、どれだけぶつかっているかを示します。上位掲載率は、同時に表示されたときに競合の広告が自社より上に出た割合で、ぶつかったときにどれだけ負けているかを示します。先に重複率を見て、影響の大きい競合を絞ってから上位掲載率を読むと判断を誤りにくくなります。
競合の上位掲載率が上がったら入札を上げるべきですか?
自社のインプレッションシェア損失率(ランク)とコンバージョン数が悪化していなければ、入札は据え置いてかまいません。位置が下がっただけで成果が保てている場合、入札を上げても同じ件数を高いクリック単価で買い直すことになりやすいためです。損失率が上がりCV数も減ったときに、目標CPAの引き上げやキーワードの絞り込みを検討します。
