Google広告のカスタム列で作ってよい指標・作らない方がよい指標|表示項目を自作する前の判断基準

管理画面を開くたびに表示項目を並べ替え、結局CSVに落としてExcelで割り算している。1人で複数アカウントを見ている運用者の方から、この手順が毎週のルーティンになっているという話をよく聞きます。Google広告のカスタム列は、その割り算を管理画面の中に1列として置いておく機能です。ただし何でも置けるわけではなく、置いてはいけない指標もあります。作る前に線を引いておかないと、あとから数字を信じられなくなるほうが高くつきます。
カスタム列で何ができるのか
管理画面の中に自分用の1列を足せる
カスタム列は、既存の列を材料に数式を組み、独自の指標を表示項目として追加する機能です。作成は管理画面の[キャンペーン]から表示項目のアイコンを開き、「表示項目の変更」を選んで「+カスタム列」をクリックする流れになります。キャンペーン・広告グループ・広告・アセットの各ページで使え、作った列はそのまま並べ替え・フィルタ・ダウンロードの対象になります。
編集画面にはビジュアルモードとテキストモードの2つがあります。ビジュアルモードは列を選んで演算子でつなぐ操作型、テキストモードは数式を直接書く方式です。数式の材料は列・演算子・定数・フィルタ・関数の5種類で、出力の形式は数値・パーセンテージ・金額から選びます。パーセンテージを選び忘れると、CTRのような比率が小数のまま並んで読みにくくなります。
使える材料はGoogle広告の中にある列に限られる
材料になるのはGoogle広告が持っている列だけです。具体的にはパフォーマンス指標(クリック数・表示回数・費用・CTR・平均CPC・CPMなど)、コンバージョン関連、ブランドリフト、GA4連携で入ってくる指標、競合指標(インプレッションシェアや損失シェア)、通話関連、そしてキャンペーン名や予算といった属性です。
裏を返すと、Google広告の外にある数字は材料になりません。商品ごとの粗利率、CRM側で確定した受注、他媒体の費用。これらを含む指標はカスタム列では作れません。月商1,000万円規模のD2Cで「粗利ベースのROASを管理画面に常時出したい」という要望はよく出ますが、粗利率が商品マスタ側にある限り、この希望はカスタム列の射程の外にあります。

作ってよい指標と、作らない方がよい指標
作ってよいのは1つの画面の列だけで閉じる指標
判断の基準は単純で、その指標の分子と分母が同じ画面の同じ行にそろっているかだけを見ます。そろっていれば、カスタム列はExcelよりも速く、確実です。毎日ダウンロードして計算する手間が消え、計算式の写し間違いも起きなくなります。
典型例は3つあります。1つ目は予算消化率(費用÷予算)で、月末に慌てないための定点観測に向きます。この指標をどの局面で追い、どの局面では追わないほうがよいかは予算消化率の計算式と使いどころに整理しています。2つ目はフィルタを使ったデバイス別・コンバージョンアクション別のCPAで、同じ行の中で条件を絞れるため定義が揺れません。3つ目は社内独自の合格ラインを0か1で返す判定列で、並べ替えるだけで対応すべき行が上に来ます。
作らない方がよいのは媒体をまたぐ指標と、定義が割れる指標
逆に、カスタム列で作るべきでないものが2種類あります。第一に媒体をまたぐ指標です。合算CPAや合算ROASはGoogle広告の管理画面には材料がそろわないため、そもそも作れません。第二に、材料はそろうけれど定義が媒体間で割れる指標です。こちらは作れてしまうぶん厄介で、あとでMeta広告の数字と並べたときに初めてズレに気づきます。
たとえばCPMは、Googleが「広告が表示されるたびに1回」カウントするのに対し、Metaは「広告が初めて画面に表示されたとき」にカウントします(各社公式ヘルプ、2026年9月時点)。分母の定義が違う以上、両者のCPMを単純平均した数字には意味がありません。カスタム列に置くと、その数字がGoogle広告の中でだけ通用するローカルな定義であることが見えなくなります。
| 判断 | 条件 | 例 |
|---|---|---|
| 作ってよい | 分子・分母が同じ行にそろい、Google広告内で定義が閉じる | 予算消化率、デバイス別CPA、合格ライン判定列 |
| 作れるが避ける | 材料はあるが媒体間で定義が割れる | 媒体横断で比較する前提のCPM・動画関連指標 |
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つまずきやすい3か所
テキストモードは列名・関数名の表記が1文字でも違うと通らない
テキストモードでは、列・フィルタ・関数の名前を公式の一覧どおりに正確に入力する必要があります。返り値の型が演算子や関数と噛み合わない場合もエラーが表示されます。入力補助が効くぶんビジュアルモードのほうが事故は少なく、複雑な入れ子を書く必要がなければそちらで足ります。
もう1つ、テキスト系の列には注意が必要です。キャンペーンのステータスのような列は値が固定で、しかも常に英語(Enabled / Paused / Removed)で表示されます。日本語表記で条件分岐を書いても一致しません。
インプレッションシェアは端の値が丸められている
インプレッションシェアは10%未満が「0.0999」または空欄、90%超が「0.9001」として扱われます。Googleが端の値を丸めて返す仕様で、カスタム列の計算にもそのまま入ります。競合指標を材料にするときの落とし穴です。
したがって「インプレッションシェアが95%を超えたキャンペーンを抽出する」といった条件は意図どおりに動きません。端の帯では順位づけに使えないと割り切り、中間帯の比較にとどめるのが安全です。空欄が混ざると計算結果そのものが空になる点も、集計前に確認しておく価値があります。
カスタム列はGoogle広告の外へ持ち出せない
作った列はGoogle広告の管理画面とそのダウンロードの中でだけ生きます。同じ定義の指標を他媒体の管理画面にも置きたい場合は、媒体ごとに作り直すことになります。媒体が増えるほど「同じ名前で中身が違う列」が分散していき、どこかで定義がずれます。
管理画面が複数に分かれていること自体が作業を増やしている側面もあり、これは「見る操作」と「変える操作」を分ける整理と同じ問題の別の顔です。媒体をまたいで同じ定義の指標を1か所で持ちたいなら、集計の層を管理画面の外に置くほうが構造的に無理がありません。ADmini(アドミニ)では集計指標と行レベル指標を区別した数式カラムとして、媒体をまたいだ表の上で同じ計算を定義できます。

まとめ
カスタム列は、管理画面の中で完結する計算を自動化する機能です。強みは同じ行の列だけで閉じる指標にあり、弱みは媒体をまたいだ瞬間に定義が持ち出せなくなることにあります。作る前に「この指標の材料は全部この画面にあるか」「この定義は他媒体でも同じ意味か」の2問に答えておけば、あとから数字を疑い直す作業は起きません。
もっとも、「カスタム列を整えれば管理画面だけで判断できるようになる」わけではありません。1つの媒体の中の効率は見えるようになりますが、予算をどの媒体に寄せるかという配分の判断は、媒体をまたいだ表がないと立てられません。管理画面は1媒体の中を深く見る道具、ADmini(アドミニ)のような集計の層は媒体をまたいで比べる道具、と役割を分けておくと迷いが減ります。
まず今週やることは、いま毎週Excelでやっている割り算を1つ書き出し、その分子と分母がGoogle広告の同じ行にあるかを確かめること。そろっていればカスタム列にして手作業を1つ減らし、そろっていなければ集計の層で持つべき指標だと判断できます。
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よくある質問
Google広告のカスタム列はどこから作成しますか?
管理画面の[キャンペーン]を開き、表示項目のアイコンから「表示項目の変更」を選び、「+カスタム列」をクリックします。ビジュアルモードとテキストモードのどちらでも作成でき、列・演算子・定数・フィルタ・関数を組み合わせて数式を作ります。出力の形式は数値・パーセンテージ・金額から選べます。
カスタム列で粗利ベースのROASは作れますか?
作れません。カスタム列の材料はGoogle広告が持っている列に限られるため、商品マスタやCRM側にある粗利率・確定受注は数式に入りません。粗利を反映した指標が必要な場合は、管理画面の外にデータをまとめる集計の層で計算する構成になります。
カスタム列で媒体をまたいだ合算CPAは作れますか?
作れません。Google広告のカスタム列はGoogle広告のデータだけを扱うため、他媒体の費用やコンバージョンは材料になりません。また作成したカスタム列はGoogle広告の管理画面とそのダウンロードの中でのみ有効で、他媒体の管理画面へ持ち出すこともできません。
インプレッションシェアをカスタム列に使うときの注意点は何ですか?
インプレッションシェアは10%未満が「0.0999」または空欄、90%超が「0.9001」として扱われます。端の値が丸められる仕様のため、95%超のキャンペーンを抽出するといった条件は意図どおりに動きません。中間帯の比較にとどめ、空欄が混ざると計算結果が空になる点もあわせて確認してください。
