Google広告のカスタマーマッチがIPアドレスでも照合できるようになった2026年9月|顧客リストに列を足す前に確かめる3つの条件

2026年9月下旬、Google広告のカスタマーマッチで、顧客リストのファイルに「IPアドレス」と「操作した日時(タイムスタンプ)」の2列を足せるようになりました。ヘルプのアップロード形式のページに列見出しが追加され、9月25日以降に海外の業界メディアが相次いで報じています。メールアドレスで照合できなかった顧客をIPで拾えるなら、マッチ率は上がりそうです。ただ、IPは家庭や会社の回線で複数の人が共有し、時間がたてば別の人に割り当て直される値でもあります。列を足すと何が変わり、足す前にどこを確かめるべきかを、公式ヘルプの記載の範囲で整理します。
カスタマーマッチのIPアドレス照合で変わったこと
追加された「User IP address」と「User Interaction timestamp」の書き方
変わったのは、顧客リストのCSVに書ける列の種類です。これまでのメールアドレス・電話番号・氏名・国・郵便番号に、「User IP address」と「User Interaction timestamp」が加わりました。ほかの列と同じく、列見出しは英語の表記どおりに書きます。
| 項目 | User IP address | User Interaction timestamp |
|---|---|---|
| 中身 | 顧客が操作した時点の端末のIPアドレス(IPv4・IPv6) | そのIPを記録した日時 |
| ハッシュ化 | しない(そのままの文字列で送る) | しない |
| 単独で送れるか | 送れる | 送れない(IPとセットが必須) |
| 書き方の注意 | 前後の空白を取り除く | 日本時間なら「2026-09-30T14:05:00+09:00」のように時差を付ける |
メールアドレスや電話番号はハッシュ化して上げられますが、IPとタイムスタンプは平文のまま送る点が既存の列と違います。また、EEA(欧州経済領域)・英国・スイスにいるユーザーはIPでの照合の対象外です。日本の顧客だけのリストなら、この除外は関係しません。
タイムスタンプなしでIPだけを上げると照合先がずれる
ヘルプには、タイムスタンプのないIPは、そのIPの「最新の既知のユーザー」に照合されると書かれています。つまり、日時を付けないと、記録した当時の顧客ではなく、いまそのIPを使っている人に寄ることがあります。
これが問題になるのは、IPが人に固定されていないからです。会社の回線は社員全員が同じIPで外に出ますし、スマートフォンの回線は短い時間で別の利用者に割り当て直されます。購入時に記録したIPを数か月後に日時なしで上げると、同じ回線の別の人がリストに入るおそれがあります。IPを足すなら、記録した日時を必ず同じ行に入れるのが前提です。

対象になる広告主と、列を足す前に確かめること
リストを「ターゲティング」に使えるアカウントは限られる
カスタマーマッチ自体は、ポリシー違反と支払いの問題がないアカウントなら使えます。ただしリストで配信先を絞り込む「ターゲティング」に使えるのは、Google広告の利用が90日以上かつ累計の広告費が5万米ドルを超えるアカウントだけです。それ以外は「モニタリング(観察)」と除外に限られます(2026年10月時点のポリシーヘルプ)。
小規模なアカウントでIP列が効くのは、主に除外リストです。たとえば既存顧客を新規獲得のキャンペーンから外している場合、メールアドレスで照合できなかった顧客をIPで拾えれば、すでに買った人への配信が減ります。月の広告費が数十万円の規模では、ターゲティング用の拡張より、この除外漏れが減る効果のほうが現実的です。P-MAXのオーディエンスシグナルに顧客リストを使っている場合の考え方はオーディエンスシグナルの設定ガイドで整理しています。
IPと日時を記録しているのはどこか
IPと日時が残っている可能性があるのは、問い合わせフォームの送信記録、ECの注文データ、会員登録のログなど、顧客が操作した瞬間にサーバー側で書かれる記録です。カスタマーマッチに使えるのは自社のサイト・アプリ・店舗で直接集めたデータだけなので、外部から買ったリストのIPは使えません。
多くのフォームツールやカートは、管理画面からの書き出しにIPを含めていません。記録はしていても書き出せない、あるいは日時が日本時間か協定世界時かが書かれていない、という状態は珍しくないはずです。日時のタイムゾーンを確かめないまま「Z」(協定世界時)を付けると、全行が9時間ずれるので、元データの仕様を先に見ておきます。
プライバシーポリシーと同意の扱い
Googleのポリシーは、顧客データを業務を委託する第三者(Googleを含む)と共有することをプライバシーポリシーで開示し、法律や同意の方針で必要な場合は同意を得ることを広告主に求めています。IPアドレスを広告に使う前提で集めていなかった場合、いまのポリシーの記載で足りるかは社内の個人情報の担当者に確認したほうが安全です。列を足すかどうかは、マッチ率より先にこの確認で決まります。
ADminiは、Google広告・Meta広告・LINEヤフー広告の数字を1日1回自動で取り込み、キャンペーン別のCPAを日付ごとに1画面で並べます。リストを入れ替えた日の前後で数字がどう動いたかを、媒体の管理画面を行き来せずに確かめられます。ADminiなら無料で始められます。無料で試してみる →

対応しない場合どうなるか|既存のリストはそのまま動く
列を足さなくても配信は止まらない
今回の変更は列を「足せる」ようになっただけで、既存のリストやメールアドレスだけのファイルは従来どおり使えます。足さないことで配信が止まったり、リストが無効になったりはしません。迷う場合は、次の3つがそろっているかで決めると判断がぶれにくくなります。
- 顧客が操作した瞬間のIPと日時を、サーバー側で行ごとに記録している
- その記録を、タイムゾーンが分かる形で書き出せる
- IPを広告に使うことが、プライバシーポリシーの記載と社内の方針の範囲に収まっている
1つでも欠けるなら、今回は見送ってメールアドレスと電話番号の照合を整えるほうが確実です。なお、ヘルプにはIPを足すとマッチ率がどの程度上がるかの記載がなく、効果の大きさは自分のリストで試すまで分からない、という限界があります。
足したあとに効果を確かめる方法
効果は、オーディエンスマネージャーのリストに表示されるマッチ率と、リストを使うキャンペーンの数字の2か所で見ます。マッチ率は照合できたユーザーが100件以上の場合に表示されるので、IP列ありの版となしの版を同じ顧客で作って比べると、上積みの大きさが分かります。
キャンペーン側は、除外リストを差し替えた日を境に、CPAと新規顧客の割合が動いたかを日別に追います。ADmini(アドミニ)ではキャンペーン単位の費用・コンバージョンが日付つきでたまるので、差し替え前後の2週間を並べて見られます。ただし連携で取れる単位はキャンペーン・広告グループ・広告・キーワード・検索語句までで、オーディエンスごとの内訳は出ません。リスト別の数字は管理画面で確かめる、という分担になります。基本の設定はADminiの始め方にまとめています。
まとめ
今回の変更で増えたのは、顧客リストのファイルに書ける2つの列です。IPは日時とセットで初めて「その時の顧客」を指す値になり、日時を欠くと別の人に照合されるおそれがあります。小規模なアカウントでは、ターゲティングの拡張より、既存顧客の除外漏れを減らす使い方が中心になるはずです。
では、列が増えても変わらないものは何でしょうか。どの顧客をリストに入れ、どのキャンペーンから外すかを決めるのは、相変わらず運用者です。照合の精度はGoogleが上げてくれても、リストの設計が粗ければ上がったマッチ率は誤った相手に配信を寄せるだけになります。ADmini(アドミニ)のようなツールが肩代わりできるのは、差し替えの前後で数字を並べて見せるところまでです。
まず今週やること:いま使っている顧客リストの元データ(フォームの送信記録や注文データ)を開き、IPと日時の列があるか、日時のタイムゾーンが書かれているかを確かめてください。両方そろっていれば、IP列ありとなしの2つのリストを作ってマッチ率を比べるところまで進められます。
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よくある質問
Google広告のカスタマーマッチでIPアドレスは使えますか?
使えます。2026年9月下旬から、顧客リストのアップロードファイルに「User IP address」と「User Interaction timestamp」の列を加えられるようになりました。IPアドレスはIPv4・IPv6のどちらも可で、ハッシュ化せずにそのままの文字列で送ります。EEA・英国・スイスのユーザーはIPでの照合の対象外です。
IPアドレスだけをタイムスタンプなしでアップロードするとどうなりますか?
Google広告ヘルプによると、タイムスタンプのないIPアドレスは、そのIPの「最新の既知のユーザー」に照合されます。IPは回線を共有する人や再割り当てで変わるため、記録した当時の顧客ではない人に照合されるおそれがあります。IPを使うなら、記録した日時を同じ行に入れるのが前提です。
カスタマーマッチのリストでターゲティングできないのはなぜですか?
リストでの「ターゲティング」は、Google広告の利用が90日以上で、累計の広告費が5万米ドルを超えるアカウントに限られるためです。条件を満たさないアカウントでも、ポリシーと支払いに問題がなければ、リストを「モニタリング(観察)」と除外に使えます。
タイムスタンプの日時は日本時間で書いてよいですか?
書いてよいですが、時差を付けて「2026-09-30T14:05:00+09:00」のように書きます。末尾に「Z」を付けると協定世界時として扱われ、日本時間の記録だと9時間ずれます。元データの日時がどのタイムゾーンで記録されているかを先に確かめてください。
