AI Overviews・AIモードへの広告配信は日本でどこまで進んだか【2026年10月】|出る場所・出ない場所と、レポートで区別できない問題

「AIモードに広告を出すにはAI Maxが必要らしい」「AI Overviewsの中に広告が入るようになった」。こうした話を聞いて、検索キャンペーンの設定を急いで変えるべきか迷っている運用者の方は少なくないはずです。ただ、海外の発表をそのまま日本のアカウントに当てはめると判断を誤ります。2026年10月8日時点で、日本の検索結果で広告が出る場所と、まだ出ない場所ははっきり分かれています。厄介なのは、出ている場所の成果すら管理画面で切り分けられないことです。何が確認できていて、何を測れば影響がわかるのかを、Google広告の公式ヘルプとGoogleの発言をもとに整理します。
日本でGoogle広告が出る場所:AI Overviewsの上下と、まだ出ない場所
AI Overviewsの上と下には、既存の検索広告がそのまま出る
日本の検索結果でも、AI Overviews(AIによる概要)の上と下には、既存の検索・ショッピング・P-MAXなどのキャンペーンの広告が表示されます。Google広告のヘルプは、AI Overviewsが提供されている地域であれば、上下の枠に既存の広告が出る対象になると説明しており、新しいキャンペーンも追加の設定も要りません。
変わるのは、広告の周りの環境です。調べもの型の検索で上にAI Overviewsが表示されると、その下の広告は画面の下へ押し下げられ、AIの回答で疑問が解決したユーザーはそもそもスクロールしません。設定は何も変わっていないのに、調べもの型の語句だけCTRが下がるという現象が起きるのはこのためです。
AI Overviewsの中とAIモードの広告は、日本ではまだ確認できない
AI Overviewsの回答の中に広告を差し込む形式は、ヘルプ上、英語で検索された一部の国(米国・カナダ・インド・オーストラリアなど)に限られ、日本と日本語は対象に入っていません。AIモードの中の広告も、2026年5月に発表された新しい形式は米国から始まっており、日本での提供時期は公式に示されていません。
| 表示される場所 | 日本(日本語)での状況 | 対象になる広告 |
|---|---|---|
| AI Overviewsの上・下 | 表示される | 検索・ショッピング・P-MAX・アプリキャンペーンの既存の広告 |
| AI Overviewsの中 | 対象外(英語・一部の国のみ) | 検索・ショッピング・P-MAXのテキスト広告とショッピング広告 |
| AIモードの中 | 提供時期の発表なし | AI Max・P-MAXが中心。2026年9月から完全一致・フレーズ一致も一部で対象 |
海外の記事で「AIの回答の中に広告が出た」と紹介されているのは、表の2行目と3行目の話です。日本のアカウントでいま成果に効いているのは1行目だけだと考えて差し支えありません。
2026年9月の変化:完全一致・フレーズ一致でもAIモードに出る実験
何が変わったのか
2026年9月4日、標準の検索キャンペーンの完全一致・フレーズ一致キーワードでも、AIモードにテキスト広告が出る小規模な実験が始まりました。Googleの広告担当(Ads Liaison)が9月9日に認めた内容で、対象は「明確で直接的な意図」のある検索に限られます。それまでAIモードの広告はAI MaxとP-MAXの領分とされていたため、従来型のキャンペーンにも入口ができた点が変化です。
ただし実験の対象国は公表されておらず、AIモードの中に出る新しい形式の広告は引き続きAI MaxとP-MAXに限られます。日本ではAIモードの広告自体が始まっていないため、日本のアカウントで今日から何かが変わる話ではありません。変わるのは、日本で提供が始まったときの前提です。
AI Maxへ急いで切り替える前に確かめること
AIモードへの露出だけを理由にAI Maxへ切り替えるなら、急ぐ必要は薄いと考えます。日本での提供に備えて今のうちに、と考えたくなるところですが、9月の実験が示したのは、完全一致・フレーズ一致のままでも、意図のはっきりした検索ならAIモードに出られる道があるということです。
AI Maxは、検索語句の拡張や広告文の自動生成まで含む設定です。切り替えると、これまで出ていなかった語句に広告費が流れ始めます。判断の材料にすべきなのは、AIモードに出るかどうかより、拡張された語句で採算が合うかです。なお2026年9月には、キャンペーン単位の部分一致や自動作成アセットを使っていた検索キャンペーンがAI Maxへ自動で移行されており、自分のアカウントがすでに切り替わっていないかは先に確かめておく価値があります。
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AI Overviewsの影響をレポートで確かめる方法
AI Overviewsの中の広告は「上部広告」に含まれ、分けて見られない
Google広告のレポートには、AI Overviewsのそばや中に出た広告だけを取り出す分類がありません。ヘルプでは、AI Overviewsの中に出た広告はページ上部の広告として記録され、現時点では分割したレポートは提供されていないと説明されています。AI Overviewsを広告の表示対象から外す設定もありません。
つまり「AI Overviewsのせいで成果が落ちたのか」は、管理画面のどこかの列を見れば答えが出る問いではありません。英語圏で中の広告が始まっても、この状況は同じです。測れないものを測れる形に置き換える工夫が、運用者の側に要ります。
検索語句を「調べもの型」と「指名・購入型」に分けてCTRを比べる
置き換えの方法として現実的なのは、検索語句をAI Overviewsが出やすいものと出にくいものに分け、CTRの推移を比べることです。「〜とは」「〜 方法」「〜 違い」のような調べもの型の語句はAI Overviewsが出やすく、社名や商品名、「〜 料金」「〜 申し込み」のような指名・購入型の語句は出にくい傾向があります。調べもの型だけCTRが下がり、指名・購入型が横ばいなら、AI Overviewsによる押し下げを疑えるという見方です。CTRは媒体や配信面で数え方が違うので、比べる前に定義をそろえておきます(媒体ごとに違うCTRの数え方)。
同じ時期に競合の出稿が増えていれば、CTRの低下はAI Overviewsではなく競争の変化で説明できるかもしれません。オークション分析で上位掲載率や重複率が動いていないかも合わせて確認すると、原因の取り違えを減らせます(オークション分析の6つの指標の見方)。この比較はあくまで推定で、AI Overviewsの表示有無を語句ごとに記録したデータではないという限界は残ります。
ADmini(アドミニ)は、Google広告のデータを検索語句の単位で取り込めます。日付を軸にしたタブで検索語句ごとの表示回数・クリック・CTRを並べておけば、調べもの型の語句のCTRがいつから落ち始めたかを、毎回レポートを書き出さずに追えます。1日1回の自動更新で前日分までがそろうため、月末にまとめて気づくより早く変化を拾えます。

まとめ
2026年10月時点の日本では、Google広告が出るのはAI Overviewsの上と下で、AI Overviewsの中とAIモードの広告は始まっていません。9月の完全一致・フレーズ一致の実験は、日本で提供が始まったときにAI Max以外の入口があることを示しましたが、今日の設定を変える理由にはなりません。いま効いているのは、調べもの型の語句で広告が押し下げられる影響のほうで、それは管理画面の列ではなく、語句を分けたCTRの比較でしか見えてきません。
AI検索への対応は、天気予報を見て傘を持つかを決めるのに似ています。雨雲が日本に来ていない段階で全員が雨具を買いそろえる必要はありませんが、空模様を毎日確かめる手段は持っておくべきです。ADmini(アドミニ)が担うのは、その空模様にあたる検索語句ごとの数字を毎日同じ形でそろえるところまでで、傘を差すかどうかの判断は運用者に残ります。
まず今週やること:Google広告の検索語句レポートから、表示回数の多い調べもの型の語句と指名・購入型の語句を5つずつ選び、直近8週のCTRを週ごとに並べてください。調べもの型だけが下がっていれば、その語句の入札や広告文を見直す候補になります。
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よくある質問
AI Overviewsの中にGoogle広告は日本でも表示されますか?
2026年10月時点では表示されません。Google広告のヘルプでは、AI Overviewsの回答の中に広告を出す形式は英語で検索された一部の国(米国・カナダ・インド・オーストラリアなど)に限られています。日本で表示されるのはAI Overviewsの上と下の枠で、既存の検索・ショッピング・P-MAXなどのキャンペーンの広告が対象です。
AIモードに広告を出すにはAI Maxが必要ですか?
AIモードの広告はAI MaxとP-MAXが中心ですが、2026年9月4日から、標準の検索キャンペーンの完全一致・フレーズ一致キーワードでも、明確で直接的な意図のある検索にテキスト広告が出る小規模な実験が始まっています(対象国は非公表)。なお日本ではAIモードの広告自体の提供時期が示されていないため、AIモードへの露出だけを理由にAI Maxへ切り替える必要は薄いと考えられます。
AI Overviewsに出た広告の成果をGoogle広告のレポートで分けて見られますか?
見られません。AI Overviewsの中に出た広告はページ上部の広告として記録され、分割したレポートは提供されていません。影響を推定するには、検索語句を「〜とは」のような調べもの型と、社名・商品名のような指名・購入型に分け、CTRの推移を比べる方法が現実的です。
AI Overviewsの近くに広告を出さない設定はできますか?
できません。Google広告のヘルプでは、AI Overviewsを広告の表示対象から外すことはできないと説明されています。成果への影響が気になる場合は、調べもの型の検索語句の入札や広告文を個別に見直すことで対応します。
