Googleスプレッドシートのセル上限が2,000万に倍増した2026年9月|広告レポートを貯め続けてよい条件と、上限が増えても直らない重さ

Googleスプレッドシートのセル上限が2,000万に倍増した2026年9月|広告レポートを貯め続けてよい条件と、上限が増えても直らない重さ

広告レポートをスプレッドシートで積み上げていると、ある時期から動きが鈍くなります。フィルタをかけるだけで数秒待たされ、月次シートを開くと真っ白なまま止まる。行を消すか、シートを分けるか——毎年どこかで、その相談を広告運用者の方から受けます。2026年9月10日、Googleはセル上限を1,000万から2,000万へ引き上げました。容量が倍になったのだから、貯め続けてよくなったように見えます。ただ、上限に当たって止まるのと、重くて待たされるのは別の現象です。

何が変わったのか

上限は1,000万セルから2,000万セルへ、設定も申請も不要

1つのスプレッドシートに置けるセルの総数が倍になりました。Google Workspace Updatesの発表によれば、この上限は新規ファイル・既存ファイル・インポートしたファイルのすべてに適用され、Excel(.xlsx)やCSVから取り込んだシートも対象です。4月に始まったベータでは組織ごとの申込が必要でしたが、一般提供では管理者設定もユーザー設定も用意されていません。運用者側で有効化する作業はなく、ある日開いたら行を足せる余地が増えている、という変わり方をします。

適用は9月10日から順次、ドメインの更新設定で時期が違う

提供開始は、Rapid Releaseドメインが2026年9月10日、Scheduled Releaseドメインが2026年9月28日です。個人のGoogleアカウントも対象に含まれます。同じ会社でも更新設定によって時期が2週間以上ずれるため、「同僚のシートでは行が足せたのに自分のでは足せない」状態が一時的に起きます。あわせて100万セルを超えるファイルを開く速度が最大30%、フィルタと条件付き書式の適用が最大60%高速化したと案内されています。

項目 変更前 変更後
1ファイルのセル総数 1,000万セル 2,000万セル
対象ファイル — 新規・既存・インポート(.xlsx / CSV)すべて
必要な設定 ベータは申込制 管理者設定・ユーザー設定ともになし
提供日 2026年4月22日(ベータ) Rapid 9月10日 / Scheduled 9月28日

広告レポートのどこが救われるのか

日次×明細で貯めているシートに、おおよそ1年分の余裕が増える

効くのは、明細を落とさずに貯めているシートです。5媒体・広告グループ200件・20列を日次で1年分積むと、5×200×365×20でおよそ730万セルになります。1,000万の壁では1年強で頭打ちでしたが、2,000万なら約2年9か月まで同じ形のまま伸ばせます。検索語句レポートのように1日2,000行が積み上がる粒度だと15列で年間1,095万セルに達し、年をまたぐ前に分割が必要でした。粒度が細かいシートほど恩恵が大きくなります。逆に、キャンペーン単位の月次サマリーしか持たないシートは数十万セルの世界なので、何も変わりません。

それでも重いなら、原因はセル数ではなく数式の側にある

上限に当たって行が足せないのと、開くのに待たされるのは原因が違います。セル数は容量の話で、体感の重さは再計算の話だからです。スプレッドシートは値の入ったセルよりも、他シートや外部を参照する数式に時間を使います。広告レポートで効くのは主に2つ。媒体別シートを横断するARRAYFORMULAと、別ファイルを引くIMPORTRANGEです。セル上限が倍になっても再計算の対象が2倍になるだけで、待ち時間は短くなりません。今回の高速化はファイルを開く動作とフィルタ・条件付き書式の適用に対するもので、数式の再計算が速くなったとは案内されていません。条件付き書式は前者にあたるため適用そのものは速くなりましたが、行が増えれば評価する範囲も広がるという性質までは変わりません。切り分けたいなら、数式を値貼り付けしたコピーを開き直すのが早い。軽くなるなら原因は数式、変わらないならデータ量の側です。

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ADmini(アドミニ)は、広告データの置き場をシートの外に持つ選択肢です。使っている広告媒体やGA4を接続すると1日1回の自動更新で明細が溜まり、集計は画面上のピボットで行います。数式を書かないので、行が増えても再計算の待ち時間という形では跳ね返りません。ADminiなら無料で始められます。無料で試してみる →

上限に当たる前に、どこを確認しておくか

現在のセル数と、月あたりの増え方を一度だけ数える

確認は2手で済みます。1つ目は、シートごとの行数×列数を足して現在のセル総数を把握すること。空行に見えても、シートに存在する行はセルとして数えられます。末尾の不要な行・列を削除するだけで数百万セル戻ることは珍しくありません。2つ目は、直近1か月で増えた行数を数え、残りセル数をその増加分で割ること。あと何か月このファイルのまま走れるかが出ます。上限に達すると新しい行の追加や貼り付けがエラーになり、自動取り込みのスクリプトは途中で止まります。止まった日に気づければよいのですが、多くは数日後に「先週から数字が更新されていない」という形で発覚します。

貯め続ける設計と、貯めない設計はどこで分かれるか

2,000万セルは、1人で回す広告レポートには当面十分な広さです。ただしスプレッドシート管理の限界は容量だけで決まりません。分かれ目は、そのファイルを他の人が直せるかどうかです。列を1本足すたびに数式の参照範囲を手で直し、媒体が増えるたびにシートを足す構造は、作った本人以外には触れません。容量の余裕が増えたことでこの構造をあと2年延命できてしまう点は、素直に喜べる話ではないとも言えます。毎日増える明細はツール側に置き、スプレッドシートは報告書の形を整える場所として使う。ADmini(アドミニ)のような広告レポートの自動化を挟むかは、この役割分担を作れるかで判断すると迷いません。

Googleスプレッドシートのセル上限が2,000万に倍増した2026年9月|広告レポートを貯め続けてよい条件と、上限が増えても直らない重さ

まとめ

2026年9月10日から、Googleスプレッドシートのセル上限が1,000万から2,000万へ倍増しました。設定は不要で、新規・既存・インポートのすべてに適用されます。日次×明細で広告データを積んでいるシートは、同じ形のままおよそ1年分の余裕が増えます。ただし「セル上限が増えれば重さも解決する」わけではありません。開くのに待たされる原因は多くの場合ARRAYFORMULA・IMPORTRANGEの再計算にあり、容量の拡大はそこに効きません。まず今週やることは1つです。いちばん重い広告レポートを開き、末尾の空行を削ってから現在のセル数を数え、月あたりの増加分で割ってみてください。残り何か月かが数字で出れば、シートを分けるのか置き場ごと移すのかを、詰まってから慌てずに決められます。ツールにできるのは、増え続ける明細を待たずに引き出せる場所へ置くことまでです。どの数字を見て翌週の配信をどう変えるかは、変わらず運用者の仕事として残ります。ADminiなら無料で始められます。無料で試してみる →

よくある質問

Googleスプレッドシートのセル上限はいつから2,000万セルになりましたか?

Rapid Releaseドメインは2026年9月10日、Scheduled Releaseドメインは2026年9月28日から順次適用されます。個人のGoogleアカウントも対象です。管理者設定もユーザー設定も不要で、新規ファイル・既存ファイル・Excel(.xlsx)やCSVからインポートしたファイルのすべてに自動で適用されます。同じ会社でもドメインの更新設定によって使えるようになる日がずれます。

セル上限が2倍になれば、重いスプレッドシートも速くなりますか?

いいえ。上限に当たって行を足せないことと、開くのに待たされることは原因が違います。体感の重さは多くの場合、ARRAYFORMULAやIMPORTRANGEの再計算によるもので、容量の拡大はそこに効きません。今回あわせて案内された高速化も、ファイルを開く動作とフィルタ・条件付き書式の適用に対するもので、数式の再計算は対象外です。数式を値貼り付けしたコピーを開き直して軽くなるなら、原因はデータ量ではなく数式の側です。

広告レポートは1ファイルにどれくらい貯められますか?

粒度によります。5媒体・広告グループ200件・20列を日次で1年分積むとおよそ730万セルなので、2,000万なら2年半ほど同じ形で伸ばせます。検索語句レポートのように1日2,000行が積み上がる粒度だと、15列で年間1,095万セルに達します。現在のセル数を残り容量で割り、月あたりの増加分で何か月もつかを先に数えておくと安全です。

セル上限に達するとどうなりますか?

新しい行の追加や貼り付けがエラーになり、自動取り込みのスクリプトは途中で止まります。多くは数日後に「先週から数字が更新されていない」という形で気づくことになります。末尾の空行や使っていない列を削除するだけで数百万セル分が戻ることもあるため、上限が近い場合はまず不要な行・列の削除から試してください。