GA4に「ホスト名の許可リスト」フィルタが追加された2026年9月|スパムを止める前に、広告LPのドメインを書き出す理由

GA4に見覚えのない参照元からのセッションが急に増え、チャネルの「Unassigned」が膨らむ。これまでのGA4でできたのは、除外する参照のリストやレポートのフィルタで見えにくくするか、新しいスパムのドメインを見つけるたびにホスト名の除外フィルタへ書き足すことでした。書き足すまでの間に届いたスパムは、そのままデータに残ります。
2026年9月21日、GA4のデータフィルタに「登録したホスト名以外から届いたデータを捨てる」設定が加わりました。スパム対策の決め手になりうる一方、捨てたデータは二度と戻りません。広告のLPを本サイトと別のドメインで運用しているアカウントほど、有効にする前に確かめることがあります。
2026年9月のGA4アップデートで変わったこと
ホスト名フィルタに「含める(許可リスト)」が加わった
変わったのは、ウェブホスト名のデータフィルタで「このホスト名だけを受け付ける」指定ができるようになった点です。従来のホスト名フィルタは除外の指定しかなく、新しいスパムのドメインが現れるたびに追記する必要がありました。許可リストなら、自社のドメインを一度登録すれば、それ以外のホスト名から届いたイベントはまとめて捨てられます。ホスト名が空のイベントも自動で捨てられます。ホスト名が空のデータはスパムや異常な送信であることが多い、というのがGoogleの説明です。
設定場所は、管理画面の「データの収集と修正」にある「データフィルタ」です。フィルタの種類で「ウェブホスト名のトラフィック」を選び、動作を除外から含める側へ切り替え、ホスト名を完全一致・前方一致・後方一致・含むのいずれかで登録します。正規表現は使えません。
対象になるアカウントと、このフィルタでも止められないもの
効くのは、他人のサイトや架空のドメインから自社の測定IDあてにデータが送り込まれているケースです。リファラースパムでセッションが水増しされ、サイト全体のエンゲージメント率やコンバージョン率が下がって見えているなら、分母の汚れを入口で止められます。
一方で、止められないものが2つあります。1つはMeasurement Protocol(サーバーから直接GA4へ送る経路)のイベントで、GA4のリリースノートに許可リストは適用されないと明記されています。もう1つは、ホスト名を自社のドメインに偽装して送られてくるデータです。許可リストが見ているのは「送信元が名乗ったホスト名」だけなので、名乗りを偽ったスパムは通過します。登録すればスパムがゼロになる、という設定ではありません。
有効にする前に、広告LPのドメインを書き出す
許可リストから漏れたドメインのデータは戻らない
許可リストに入れ忘れたドメインのデータは、有効化した時点から捨てられ、あとから取り戻せません。GA4のヘルプでも、データフィルタで除外したデータはGA4でもBigQueryでも使えなくなると説明されています。広告運用で漏れやすいのは、次のようなホスト名です。
- 本サイトの「www あり」と「www なし」(GA4では別のホスト名として扱われる)
- LP作成ツールで作った、本サイトと別ドメイン・サブドメインの広告LP
- クロスドメイン計測している決済・予約・フォームの外部サービスのドメイン
- 計測を残したいテスト環境やキャンペーン専用サイト
月に数本のLPを差し替えて検証しているアカウントでは、半年前に作ったLPのドメインを誰も覚えていない、ということが起こりがちです。広告のリンク先URLの一覧から書き起こすのが、漏れを防ぐいちばん確実な方法です。GA4の探索で過去90日の「ホスト名」ディメンションを並べ、自社のものと見知らぬものを仕分けてもよいでしょう。
まず「テスト」状態で数日回し、捨てられる行を確かめる
データフィルタは「テスト」状態で作れば、データを捨てずに判定だけを試せます。テスト中は、探索の「テストデータのフィルタ名」ディメンションで、フィルタに引っかかったイベントを確認できます。反映までに1〜2日かかることがあるため、平日と週末をまたいで少なくとも数日は回します。
確かめるのは、捨てられる予定のイベントに広告経由のセッション(参照元が google / cpc など)が混ざっていないかです。混ざっていれば、そのLPのドメインが許可リストから漏れています。広告経由のデータが1件も含まれないことを確かめてから「有効」に切り替えます。コンバージョンの計測自体に不安がある場合は、GA4で広告のコンバージョン計測が壊れる場所を先に点検しておくと、フィルタの影響と計測の不具合を取り違えずに済みます。
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有効にした日を境に、GA4の数字に段差ができる
フィルタは過去に遡らず、媒体側の数字も変わらない
データフィルタが効くのは有効にした日以降のデータだけで、過去のデータは変わりません。スパムの多いサイトほど、有効化の翌日からセッション数が目に見えて減り、エンゲージメント率やコンバージョン率は上がって見えます。
ここで「セッションが減ったから集客が落ちた」と読むのは誤りです。広告媒体の管理画面のクリック数やコンバージョン数は、このフィルタの影響を受けません。変わるのはGA4側の分母だけなので、有効化した日付を記録し、その日をまたいだ前後比較はしないようにします。直帰率やエンゲージメント率でLPを評価している場合も同じで、LPの直帰率を読み違えずに離脱箇所を切り分ける手順で見る数字は、有効化日以降だけで比べるのが安全です。
GA4と広告の数字を同じ画面で見るなら、有効化日をメモに残す
GA4と広告の数字を同じ画面に並べるなら、フィルタを有効にした日付をメモに残し、その日以降の期間で比べます。ADmini(アドミニ)ではGA4をデータソースとして連携でき、前日分までのデータが1日1回自動で更新されます。ただし初回の連携では過去分(開始日を指定しなければ1年前から)を取り込むため、その中にはフィルタを入れる前のスパムが含まれたままです。
媒体側のクリック数とGA4のセッション数の比率が有効化日を境に変わるのは、計測の不具合ではなくスパムが抜けた結果です。この段差を知らずに月次レポートを出すと、「今月から急に質のよい流入が増えた」と誤った説明をしかねません。

まとめ
ホスト名の許可リストは、GA4のリファラースパムに対して、許可リスト方式で入口を閉じられるこれまでになかった設定です。ただし捨てたデータは戻らず、偽装されたホスト名やMeasurement Protocolの送信は止められません。冒頭のようにUnassignedが膨らんでいるアカウントでも、広告LPのドメインを書き出し、テスト状態で広告経由のデータが捨てられないことを確かめてから有効にする、という順番は崩さないでください。
役割を分けると、どのホスト名を正規の入口とみなすかを決めるのは運用者で、ツールが担うのは決めたあとの数字を毎日同じ形で積み上げることです。ADmini(アドミニ)は、有効化日以降のGA4の数字を広告の数字と並べて残す側を受け持ちます。
まず今週やることは、広告の管理画面からリンク先URLを書き出し、ドメインだけの一覧を作ることです。許可リストを作る日が来たとき、その一覧がそのまま登録内容になります。
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よくある質問
GA4のホスト名の許可リストはどこで設定しますか?
管理画面の「データの収集と修正」にある「データフィルタ」で、フィルタの種類に「ウェブホスト名のトラフィック」を選び、動作を含める側に切り替えて自社のホスト名を登録します。一致の条件は完全一致・前方一致・後方一致・含むから選べ、正規表現は使えません。最初は「テスト」状態で作成し、影響を確かめてから有効にします。
ホスト名の許可リストでリファラースパムは完全に防げますか?
完全には防げません。他のドメインやホスト名が空の状態で送られてくるスパムは止められますが、ホスト名を自社のドメインに偽装したデータは通過します。また、Measurement Protocolで送られたイベントには許可リストが適用されません。
許可リストを有効にすると過去のデータからもスパムが消えますか?
消えません。データフィルタは有効にした日以降に届いたデータにだけ適用され、過去のデータは変わりません。有効化の前後でセッション数やエンゲージメント率に段差ができるため、有効化した日付を記録し、その日をまたいだ前後比較は避けます。
許可リストに広告LPのドメインを入れ忘れるとどうなりますか?
そのLPで発生したページビューやコンバージョンのイベントがGA4に記録されなくなり、あとから取り戻すこともできません。広告のリンク先URLからドメインの一覧を作り、テスト状態で広告経由のセッションが捨てられる対象に含まれていないことを確かめてから有効にしてください。
